野菜高騰に立ち向かう!「ミニ野菜」と「規格外野菜」が産直売場の救世主に
前回のブログ、「2026年11月、貴店の産直売場はこう攻めなさい!」でも書きましたが、野菜の価格高騰が続くなか、食品スーパーや道の駅の産直売場では、商品の確保が大きな課題となっています。いつも並んでいた野菜が入荷しない、価格が高くなってお客様が手を伸ばしにくい。そんな状況を打開するヒントが、「ミニ野菜」と「規格外野菜」の活用にあります。
今回は、宮城県の食品スーパーで取り組まれていた事例から、これからの産直販売の可能性を考えてみましょう。
1.市場に出回らない野菜に、新たな販売チャンス!
農家が丹精込めて育てた野菜でも、大きさや形が出荷規格に合わないという理由で、市場に出荷できないものがあります。
味や鮮度には問題がなくても、形が曲がっている、大きさが不ぞろい、少し傷があるといった理由で、通常の流通ルートに乗せられない野菜です。
しかし、こうした野菜も、店舗側から「受入れOK」の積極姿勢や販売方法を工夫すれば立派な商品になります。
農家にとっては廃棄や売れ残りを減らし、収入につなげるチャンス。店舗にとっては品ぞろえを充実させながら、お客様にお得感を提供できる取り組みです。
大切なのは、規格外であることを隠すのではなく、「味は同じ、形はいろいろ」「農家応援・食品ロス削減」といった価値を伝え、納得して購入していただくことです。
2.「新規作物プロジェクト」が生んだ、ミニ野菜の可能性

【生産者のミニ野菜】左:ミニコーン(糖度18度2本で360円)、中央:ミニキャベツ(手前のラップで包んだ1玉160円、奥はスーパーの定番コーナ市場経由333円)、右:ミニ白菜(タイニーシュシュ1玉170~230円、奥は一般生産者の白菜一玉400円前後)
もう一つ注目したいのが、ミニ野菜や高温環境でも栽培しやすい野菜への取り組みです。
ある直売所では、「新規作物プロジェクト」などを通じて、ミニ白菜をはじめとする新しい品目の栽培に取り組んできました。
ミニ野菜には、通常サイズの野菜とは違った魅力があります。少人数の世帯でも使い切りやすく、冷蔵庫に収納しやすい(牛乳パックスタンドに縦置き)。調理の手間や食材の無駄を減らせるため、消費者の生活スタイルにも合っています。
上記画像の3つの品種はインショップ型産直売場展開のミニサイズや規格外品です。このような産地や品種は市場経由では困難です。そのため同じ屋根の下に在る、スーパー部門の青果売場と上手に棲み分け可能になるのです。
さらに、夏の高温に対応できる品目を計画的に導入することは、気候変動による生産リスクへの備えにもなります。
野菜が不足してから慌てて探すのではなく、あらかじめ市場ニーズを見据え、新しい品目を育てておく。この先を読んだ取り組みが、安定した商品供給につながります。
こうした商品は、一般市場だけでなく、品ぞろえに特色を出したい食品スーパーや道の駅の産直施設からも注目されます。需要に合った野菜を安定的に出荷できる生産者は、販売先から必要とされる存在になるのです。
我々は、種苗店さんや採種場さんと連携して、高温環境でも栽培しやすい野菜新品種などの情報も都度生産者さんらに伝えることが大事です。生産者さんは老若男女問わず、情報取集、勉強機会を求めております。
3.これからの産直売場は「何を売るか」が重要

野菜高騰への対策は、単に売場を埋めて一安心ではありません。
- 規格外野菜を活用する:ふぞろい市などで、価格と食品ロス削減の両面から価値を伝える。
- ミニ野菜を取り入れる:少人数世帯や使い切りニーズに応え、新たな購入動機をつくる。
- 高温に対応する品目を育てる:気候変動を見据え、供給できる野菜の選択肢を増やす。
- 生産者と売場が連携する:売れる品目や必要な数量を共有し、計画的な生産と販売につなげる。
これからの産直販売では、地域の農家が育てた野菜を並べるだけでなく、消費者のニーズや気候の変化を踏まえて、商品を一緒につくり上げていく姿勢が求められます。
野菜高騰という厳しい環境も、見方を変えれば、新しい商品や売場づくりに挑戦する機会です。
「市場に出せない野菜」を「売れる商品」に。「これまで作っていなかった野菜」を「選ばれる商品」に。
農家の工夫と産直売場の販売力を結びつけることが、これからの地域農業と小売店の成長を支える大きな力になるのではないでしょうか。

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