「置くだけ」で終わらせない!食品スーパー必見、今日から実践できる「売れる産直コーナー」改善の処方箋

「せっかく地元農家さんが朝採れ野菜を持ってきてくれたのに、夕方になっても売れ残ってしまう……」

「大手スーパーやドラックストアでも産直コーナーが増えて、うちの店の強みが薄れてきた気がする……」

食品スーパー店舗の売場担当者や納品される生産者の方から、こうした切実な声を耳にすることが増えました。

実は今、「食品スーパーの産直コーナー」は大きな転換点を迎えています。今回は最新の統計データから見えるリアルな現状を紐解きながら、明日から現場ですぐに実践できる具体的な売場改善アクションをお届けします。

1. データが語る「産直コーナー」の現実と落とし穴

私がいつも参考にさせて頂いている、一般社団法人全国スーパーマーケット協会などの業界3団体が公表している「スーパーマーケット年次統計調査」を見ると、非常に興味深い傾向が浮き彫りになっています。

① 食品売場トップクラスの設置率(70.9%)

2024年の調査において、スーパーにおける「地元産食品コーナー」の設置率は70.9%に達しています(花売場に次ぐ高さ)。特に大規模店舗では90%超、保有店舗数26店舗以上のチェーンでも85%以上が設置しており、もはや「あって当たり前の売場」となりました。

② しかし「今後の新設・増設意向」は急ブレーキ

その一方で、「今後新たに設置したい」「増やしたい」と回答した企業の割合は、年を追うごとに激減しています。

  • 2022年:48.1%
  • 2023年:34.1%
  • 2024年:28.4%

わずか2年の間に約20ポイントも減少しているのです。

グラフには表示していませんが、

  • 2025年:25.8%  更に減少していました。

これは、「コーナーを作ったものの思ったほど利益や集客につながらない」「管理の手間ばかり増えて、どう改善すればいいかわからない」「生産者や商品が集まらない」「自社青果部門と競合して価格競争になる」といった、店舗側の疲弊や行き詰まり感を如実に示しています。

2. なぜ「効果が出ない」のか?最大の理由は「手をかけていない」こと

産直売場=「置けば勝手に売れる魔法の棚」はない

多くの食品スーパーの産直コーナーが伸び悩んでいる原因は、野菜の品質や生産者の腕にあるわけではありません。最大の理由は、「納品された商品をそのまま並べ、ただ置くだけで放置している(手をかけていない)」状態に陥っていることです。

大手スーパーが最近導入している広域産直ベンダー経由の野菜は、物流網こそ強固ですが、どうしても「遠方からの輸送」となるため鮮度やストーリーのリアルさでは一歩譲ります。 本来、朝収穫して数時間で店に並ぶ「地元密着の地場産品」こそが、鮮度でも味でも圧倒的に強いはずなのです。

小規模スーパー・地元生産者こそ最大の武器になる

産直販売は、店舗の規模や立地に左右されない「小回りの利く小規模店舗」にこそ圧倒的な利があります。

  • 地元の旬の天候や収穫状況を肌感覚で共有できる
  • 生産者と店舗スタッフが直接顔を合わせて会話できる
  • お客様の声をその日のうちに生産者へフィードバックできる

「産直をやっても効果が出ない」とお悩みの経営者様・店長様、それは効果が出ない仕組みなのではなく、単に売場としての“編集”と“手入れ”が止まっているだけです。 ほんの少し手をかけて鮮度感とストーリーを演出してあげるだけで、小規模店ほど産直売上の構成比と粗利益は劇的に跳ね上がります。

3. 明日から現場で即実践できる!改善ステップ

店舗スタッフと生産者さんがタッグを組み、コストをかけずに明日からすぐ実践できる「4つの改善ステップ」をご紹介します。

ステップ①:「生産者名+1行の食べ方」手書きミニPOP

  • 現場の課題:「○○市産 トマト 150円」という味気ないバーコードシールだけでは、隣の一般青果の特売品と比較され、不毛な価格競争に巻き込まれてしまいます。
  • 即実践アクション:
    • 店舗側:100円ショップの卓上ミニ黒板やクリップスタンドを売場に常備する。
    • 生産者側:納品時に「一番美味しい食べ方」を一言メモ。(大きい付箋でもOK)で添える。手描きマジックが最高!
      • 例:「佐藤忠雄です。今日の朝どり大根:上部はみずみずしく甘いのでスティックサラダに!先端はピリッと辛いのでおろし・薬味に最適です」
      • 例:「今朝採り春キャベツ:芯まで柔らかいので、サッと蒸してオリーブオイルと塩だけでご馳走になります」
  • 効果:お客様は「野菜」を買うのではなく、「今日の夕飯の美味しいアイデア」を買うようになります。価格比較から脱却し、生産者の「指名買い」が生まれます。

ステップ②:段ボール・コンテナを卒業し、「什器☓陳列☓演出」で立体感を出す

  • 現場の課題:通い箱(プラスチックコンテナ)や茶色い段ボールのまま平積みにすると、物量が沢山ある時にはボリュームがよりPR出来る什器です。しかし、物量少ない場合逆に貧相に見え、どうしても薄暗く「見切り品・ワケあり品売場」のような印象を与えてしまいます。
  • 即実践アクション:
    • ウッド調の浅型木箱やクラフト調のバスケットを陳列台に並べる。段ボールカットもそのままでは無く、4角を養生テープなどで囲むだけで、フレーム効果で目立つオリジナルバスケットになります。
    • 箱の底板をカラー化する。おススメは100円ショップの滑り止めゴム製メッシュシート。ピンクやペパーミントブルー、ブラックなど各色あり、商品と被らない反対色を選ぶ事がポイント。かなり効果的なイメチェンになります。
    • 奥側の木箱を斜めに傾けたり、下に台を入れて高低差(ひな壇)を作る。
    • 葉物野菜(大根の葉や泥付きネギの緑)を前面・上段に見せ、売場全体に瑞々しいコントラストを生み出す。
  • 効果:遠目から見ても「採れたて感」「市場のような活気」が伝わり、通りがかるお客様が自然と足を止めるマグネット売場(引きつける売場)に変わります。イメージは「テナント感」。農家さん達が独自で売場を借りて運営しているイメージ。もっと言うと、〇〇食品スーパーの延長では無く、道の駅がミニ催事出店してきた様な、「異質感」を醸し出せるかが重要です。

ステップ③:自社青果部門との「カニバリ(競合)」を防ぐお互いのコンセプトの見直し

  • 現場の課題:一般青果のバイヤーから「産直で安売りされると青果の売上が落ちる」、生産者からは「青果の特売にぶつけられて売れ残る」と社内・内外で不満が溜まる良くあるケースです。
  • 即実践アクション:
    • 役割分担の明確化:一般青果は「定番・量目・安定供給」、産直は「朝採れ即日完売・旬の走り・珍しい伝統野菜・完熟品」として、先ずは棲み分けルールを考える。一般青果は「浅く広く:品切れNG」、産直は「狭く深く:品切れOK」を営業コンセプトとして見直し、再検討。勿論100%は無理ですが、この考えが理解され、10%以上該当商品が集まれば、かなり突出した集客売場、商品になるはずです。逆に低迷している、スーパーの産直売場は「売場が空かない様に。そのため品切れNG。結果、浅く広く普通野菜オンパレードの産直売場」となっています。産直は「狭く深く:品切れOK」を一度、再考してみてください。
    • 適正価格の維持:産直品は「安売りコーナー」ではなく「鮮度プレミアムコーナー」として位置づけ、一般品と同等〜1割高めの適正価格で販売する(その分、鮮度と食べ方POPで価値を伝える)。
  • 効果:青果部門の売上を削るカニバリズムを防ぎ、店舗全体の客単価と荒利益を底上げできます。産直コーナは売上や見栄えを期待するのではなく、「集客装置」「チャレンジ商品展開」と青果部門との補完、相乗効果を考えた戦略がお互いに得策と割り切る。※参考Facebook:東北産直販売活性化センター

ステップ④:店舗と農家をつなぐ「ひとこと連絡ノート」で欠品・ロスを解消

  • 現場の課題:夕方に売れ残って廃棄になり農家さんが落胆する、あるいは逆に昼過ぎに完売して夕方のピーク時に棚がスカスカになる悪循環。
  • 即実践アクション:
    • バックヤードの納品デスクに、普通の大学ノートを1冊置くだけです。ホワイトボードなどと共用も効果的。
    • 販促計画、チラシ内容もオープンにして問題無い内容を記載。「〇/〇は朝市とポイント10倍→朝から集客期待できそう→納品時間、量の是正」「アスパラ、高原レタス、大玉とまと掲載計画あり」
    • スタッフ記入例:「昨日、一昨日と小松菜、14時には完売しました!大好評です→納品量増やそう」「明日は雨予報、15℃下回りそうなので、鍋物、煮物向けの根菜が動きそうです」
    • 生産者記入例:「明日はサイズ不揃いですが、甘みの強いミニトマトを多めに出荷できます!」「来週週末はゴールドラッシュ初収穫予定あり」
  • 効果:互いの顔と状況が見える関係性ができることで、出荷調整が自律的に回り始め、夕方のチャンスロスや売れ残りロスが目に見えて減少します。上記③にも書きましたが、産直は「狭く深く:品切れOK」。食品スーパーからも「夕方まで品切れせず、ふんだんにある納品量」を毎回リクエストするのでは無く、「午前中で完売する、クオリティある商品と数量、付加価値提案」を時にはリクエストしたらいかがでしょうか。

まとめ:産直は「地域とお店をむすぶ架け橋」

産直販売は、中央集権的なチェーンストアの画一的な棚割りには決して真似のできない、地域密着店と地元生産者だけの特権です。

  1. 名前と美味しい食べ方を伝える「ミニPOPと手描きマジック付箋」
  2. 鮮度と活気を魅せる「木箱・バスケットの立体陳列」
  3. 一般青果とバッティングさせない「価値と役割の棲み分け」
  4. 互いのロスを減らし、コミニケーションづくり「ひとこと連絡ノート」

どれも多額の投資を必要とせず、明日からでも現場でスタートできる工夫ばかりです。

「置くだけ」の売場から、スタッフと生産者のぬくもりが伝わる「生きた売場」へ。 まずは明日の納品時、笑顔の挨拶とともに小さなPOPを1枚立ててみることから、新しい売場づくりを始めてみませんか?

“効果がない”のではありません。

「手を掛けていない」だけです。

ちゃんと「手を掛けて上げれば」小規模スーパーほど産直効果(%)は高かまります。

「手の掛け方わからない?」「何からどうすれば良いの?」

そのような、スーパー経営者様、産直施設担当者様、先ずはお気軽にご相談ください。

 

■ 参考・データ出典

  • 一般社団法人全国スーパーマーケット協会 / 一般社団法人日本スーパーマーケット協会 / オール日本スーパーマーケット協会
    • 『2024年 スーパーマーケット年次統計調査 報告書』(2024年10月公表)
    • 『2023年 スーパーマーケット年次統計調査 報告書』
    • 『2022年 スーパーマーケット年次統計調査 報告書』
    • 参照項目:「各種売場・コーナーの設置状況(地元産食品のコーナー)」および「今後の各種売場・コーナー設置意向」
    • ※掲載グラフはデータを基に弊社で加工作成

関連キーワード

あなたにおすすめの記事

RELATED POST

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP
MENU
お問合せ

TEL:022-797-1310

(月 - 金 9:00 - 17:00)本部